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ローストビーフの部位にモモ肉が使われる意外な理由とは?旨いから選ばれるわけではない!

投稿日:2019年11月29日 更新日:

ローストビーフはお好きですか?

牛肉好きであれば不動のご馳走料理の一つですね。

私は精肉店や焼肉店で働き、仕入れ等担当していたため

「ローストビーフどの部位が美味しいのか?」

と聞かれることが良くあります。

肉のプロとしてあまり語られることのない、ローストビーフの本当のところをお教えしましょう。

既製品のローストビーフにモモ肉が多い理由

大手のハムメーカーや規制品で売られているローストビーフは圧倒的に

モモ肉が使われることが多いです。

単にローストビーフにモモ肉が適しているという話ではなく

売る側や生産者の事情もあることを考えてください。

ローストビーフとして商品化しやすい部位とは?

①原料として確保が容易である部位であること

既製品のローストビーフを作っているような大手のハム屋さんというのは、基本的に「食肉卸」をやっています。

牛・豚・鶏等を買い付けて、生のお肉を、お肉屋さんやスーパー等に卸すことです。

むしろハム等の加工品よりこちらが本業なのだと思います。

誤解を恐れず雑に言ってしまうと

売れない肉が加工品になることが多いです

考えてみてください。

放っておいても売れるような、希少部位や高級部位をわざわざお金と時間をかけて加工品として売るでしょうか?

現に牛ヒレの加工品が売っているのを見たことがありますか?

牛肉を一頭で仕入れる⇒生肉として売れる部位を売る⇒余って売れない部位を加工品として売る

これが自然な流れです。

豚も鶏も同じこと。

鶏であれば、モモ肉というのは国内で需要が高く、比較的高値で売れます。

むね肉は余るので「チキンナゲット」や「サラダチキン」等の加工品として売り出されます。

豚であれば需要と供給として「もも肉」がどうしても余ってきます。

ラーメン屋で食べる焼豚は「バラ肉」「肩ロース」等が多いですよね?

でも・・・

スーパー等でキレイなパッケージで売っている焼豚は圧倒的にモモ肉が多いのはこのためです。

ハム屋さんの焼豚は美味しいからモモ肉を使っているのではない!ということです。

牛肉で考えた場合、やっぱり「モモ肉」というのは基本的に余りがちな部位です。

美味しいからモモなのではなく、モモが余っているからモモ肉を加工品として消費したい。売れそうな「ローストビーフ」で商品化する。という側面が強いのではないでしょうか。

②1本を通して肉質や形が均一であること

形がバラバラであったり、ブロックのなかに筋や脂が噛んでいると商品化として難しくなります。

あんまり細長いローストビーフであれば売れないでしょうし、買ったローストビーフが筋や脂ばかりだったら、クレームになってしいますね。

③見た目が良い

牛のモモ肉は基本的に赤身の部分が多いので、ローストビーフにするには見た目がよいです。

カットすると、鮮やかな赤やピンク色が一面に広がります。

黒毛和牛のサーロインのようなサシがたっぷり入った部位は、口どけも良く美味しいのですが、サシが多いということは、それだけ肉の赤身が少ないということですので、見た目に鮮やかな赤色というのは難しくなります。

美味しいローストビーフを自作するにはモモ肉が最適か?

上記で説明した通り、ローストビーフを作る際にはモモ肉で。というのも決して間違いではなく、ある意味では理にかなったチョイスともいえます。

ただローストビーフという料理を考えると、じっくり煮込む料理とかではないので、どうしても生肉の状態での「肉本来のポテンシャル」が出来上がりの味に直結する料理です。

固い肉を使えば固い。パサパサの肉を使えばパサパサに。なってしまうのはしょうがないことです。

美味しい不味いというのは、主観の部分が強いので一概にいえませんが、ローストビーフは必ずしもモモ肉である必要はありません。

牛の種類や部位の特性等を理解して、好みにあったローストビーフを作ってみましょう

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