ブランド牛(銘柄牛)について解説いたします。
牛肉にこだわりたい!牛肉大好きなあなた必見!!
・ブランド牛は本当に高品質なのか?
・そもそもブランド牛(銘柄牛)とは?
・ブランド牛を語るには、和牛と国産牛、交雑種、ホルスタイン種 を理解する必要あり
・ブランド牛を買うメリット
・ブランド牛を買うデメリット
・そもそも比較は難しい。
・結局のところお勧めは?
ブランド牛(銘柄牛)とは?品質や定義、使い方等解説します
①ブランド牛は本当に高品質なのか?
まず結論から言うと
バッグや時計のブランドと同じようなものです。
「高品質なものもあるが必ずしもそうとは言い切れない」といえます。
美味しいか?不味いか?となると個人の主観もありますので、これは一概に言えませんので一般的にみる牛肉の品質としてお話いたします。
消費者目線でなく生産者目線(売る側)から考えてみるのが一つのポイントといえるでしょう。
一言では説明できないので順を追って説明していきます。
②そもそもブランド牛(銘柄牛)とは?
各生産者団体が独自に設ける定義で、全国に200種類以上ある
ん?早速雲行きが怪しくなってきましたね。
〇各生産者団体が独自に設ける→裏を返すと銘柄牛(ブランド牛)を名乗るのに全国的には共通の定義はないわけです。各地域の生産者団体の許可があればそのブランドを名乗れるということですね
〇全国で200種類以上ある→48都道府県に平均すると、1県あたり4銘柄以上あることになります。もちろん多いところもあれば、少ない地域もありますが。。ちょっとブランド価値を提供するには多いですよね。
銘柄牛→売る側(生産者団体)が販売に付加価値を付けるために付けた名称
こう考えて良いのではないでしょうか?
牛に限らず自分たちの商品を売ろうと思ったら、魅力的な名前を付けて、付加価値を
つけ消費者にわかりやすい形で販売したい。と思うはずです。
日本3大和牛と呼ばれるような産地(松坂・神戸・近江・前沢・米沢)等ブランド力の強い物もあれば、実際に銘柄(ブランド)が名ばかりの物になっている物も少なくありません。
③ブランド牛を語るには、和牛、国産牛、交雑種、ホルスタイン種 を理解する必要あり。
これを知らずしてブランド牛は語れない重要なお話。
和牛の定義⇒ 日本固有の品種で次の4種類とその交配種のみ二しか付けられない名称 黒毛和種・褐毛和種・ 日本短角種・無角和種 の4種類。4種の中では黒毛和種が約90%以上とほとんどを占める
国産牛⇒日本国内での飼養期間が他の国より長い場合、牛自体の品種等に関係なく名乗れる(日本に長く住んでる牛なら国産牛)
ホルスタイン種⇒皆さんが牛と言って想像する、白と黒の模様の牛です。外来種で食肉用ではなく乳牛として飼育される。が、乳の出ない雄や乳の出が悪くなった雌牛等は食肉用にされる。食肉用の牛ではないので肉の品質は良くない(サシが入りにくく赤身傾向)
ホルスタインと別に、数は少ないが同じく乳牛としてジャージー種もある
交雑種⇒一般的には黒毛和牛とホルスタインの交配種。
国産牛は意味が広いので、和牛も国産牛といえますが、スーパーや飲食店で和牛の方が高級品なので、和牛をわざわざ国産牛と表示することは基本的にありません(和牛の方が国産牛より格上)
交雑種(F1とも呼ぶ)は和牛とホルスタインのハーフなので、値段も肉質も和牛とホルスタインの間と考えてよい。
値段でいうと
黒毛和牛>交雑種>ホルスタイン(国産牛と明記される)
肉質も上に順じます。
最近焼肉食べ放題の店が増えていますが、安価なお店は、外国産牛かもしくは「国産牛」食べ放題となっているはず。「和牛」の食べ放題もありますが、そこそこの値段はします。
注意して見てください。
これらを含めた上で次の話に移ります。
④ブランド牛(銘柄牛)には全国共通の定義はない
全国の銘柄和牛は 和牛(各4種類)・交雑種・ホルスタイン種・ジャージー種が混在する
和牛(各4種)を使用している銘柄牛⇒169件
交雑種を使用している銘柄牛⇒65件
乳用牛(ホルスタイン・ジャージ)使用の銘柄牛⇒34件
しかもさらに紛らわしいのは
同じ銘柄の中で、和牛と交雑種を両方扱っていたり。和牛・交雑・ホルスタイン3種類を扱っていたりする銘柄牛もあるということです。
こうなるとブランド牛(銘柄牛)として名前はついているが、乳牛の物もあれば
黒毛和牛のみの高級銘柄牛もあるわけです。
ここを知らずに「〇〇牛が旨かった!!」肉を語ると恥をかくこともありますので注意が必要です。
⑤ブランド牛の上手な使い方
今までの説明通り、ブランド牛(銘柄牛)は名前がついているからといって、高品質であるという意味ではないことをまずは理解していただきたいです。
最初の方で述べましたが、バッグや時計と同じです。
バッグで言えば
エルメスやヴィトンのようなハイブランドもあれば、中級ブランドや庶民的なブランドもあるわけです。
それを知ったうえで用途に合わせて利用することが重要です。
銘柄牛は同じ地域(気候や餌、飼育環境)で基準が設けられているため、牛肉の品質も銘柄によって特色がでてきます。その特色を理解したうえで、銘柄牛を使うメリットを考えましょう。
またお店をやっている方等でしたら、銘柄をうたって、集客につなげることも可能です。
信頼に値するブランド牛はその団体で厳しい規定があるので品質も確かなものといえます。
⑥ブランド牛のデメリット
何と言っても「ブランド料金」が乗ることでしょう。
特に有名ブランド牛となるとそれも高くなります。
バッグと同じです。エルメスのバーキンが数十万~数百万というのは、そのすべてが生産コストとは考えにくいです。有名ブランドの価値を買っているのです。
焼肉屋等の店が使用するデメリットとしては、銘柄の縛りをつけることによって、入手が困難になったり、仕入れ値が上がってしまうことです。
特に希少部位などの入手が非常に難しくなります。仮に入手できてもかなり高額で。。
なんてことに。
⑦そもそもブランド牛(銘柄牛)の比較は難しい
ちょっとした牛肉通ぶっている人は良く
「〇〇牛は最高だよ!今まで食べた中であれは別格」なんてことを口にします。
私はスーパーでの精肉業も焼肉屋もやっているので心の中では
(ほんとかよぉ。。あてにならないなぁと思っています)
下記のような理由です
・同じ部位の同じ部分を食べ比べたのか?
・同じ調理法で食べ比べたのか?
・そもそも牛は生き物だから、個体差がある
・どの程度のサンプル数を食べて比較してるのか
これらのことを加味すると比較は非常に難しいです。
⑧結局何がおすすめ?
ここからは私の意見です。
私は銘柄よりも、食べる上では個体差と部位を重要視すべきだと思います。
・個体差
人間に置き換えてかんがえてみましょう。よく東北美人などといいますが、東北に住んでいる女性はみんな美人なの?って話です。もしかしたら、全国的にみてホントに美人が多いのかもしれませんが、おそらく誤差の範囲でしょう。
それよりは個体差です。どこに住んでいても美人は美人。地域で選ぶより顔を見て判断するほうが信頼できるとおもいませんか?
・部位
せっかくの松坂牛であっても、筋がかんでいるような固い部位をたべては美味くないはずです。そんなに高い牛でなくても、ヒレのど真ん中は柔らかくて美味しいです。
現実的に美味しい牛肉をたべたいなら?
個人的にコストパフォーマンスが良いと思うのは、ノンブランドの黒毛和牛のA4~A5クラスの肉です。この辺りは流通量が比較的多いため、値段もそこそこ。
実際に高級焼肉店や鉄板焼き等で使用されている和牛はこのあたりのランクが多いでしょう。
ノンブランドの黒毛和牛でも、A4~A5クラスのものであれば、良い部位の良いところ(一つの部位の中でも優劣がある)を食べれば充分に美味しいです。
というか、目をつぶって食べればハイエンドのブランド牛と味の違いがわかるかどうか・・・私は自信ありません。
接待や贈答といった、金が物を言うようなシチュエーションであれば、
松坂牛や神戸牛を惜しみなく使ってください!
そういう場では値段以上の効果を発揮できるでしょう。