家庭料理研究家であり、プロの料理人のわたくしです。
パスタってご家庭で良く作りますよね。
私も良く作ります。
今回はパスタの茹で時間について考えてみたいと思います。
料理上手はパスタを短めにゆで上げる
「パスタはアルデンテが美味しい。アルデンテに茹でるためにはパスタの袋に書いてある茹で時間より1~2分早くお湯から上げるべし!」
いつ聞いたのかは覚えていませんが、
物心ついて台所に立っているうちから私はこれがパスタの常識だと、疑いもせず実践していました。
20年以上も、です。
料理って結構こういう思い込みがありますよね。(私だけかなぁ?)
料理上手や料理好きな人ほど、メディア等でそういう情報を耳にすると、覚えていて実践し、習慣になるものです。
パスタの茹で時間を短めにする理由として
- パスタを固めに仕上げたい(アルデンテ)
- 時間前でお湯から上げ、その後ソースと絡めて加熱することで、パスタがソースを吸って美味しくなる
料理好きだけに一度こういう情報を聞くと結構覚えていて実践しています。上記の理由も理にかなっているので、20年以上疑いもせずに、実践してきました。
それなりに美味しいパスタを作っている気でいました。
パスタを長めに茹でてみたら、衝撃の美味しさ!
ある日テレビで、ナポリタンの有名店の調理の様子を放送していました。
そこでは、あえてスパゲッティーをのびた状態で放置して、ふやかして使うとのこと。極端に言うと、給食のソフトメン状態。
これ食べてみたいなぁと思い実践しました。
標準茹で時間8分のスパゲッティーを10分ほど茹でて使ってみると・・・
あれ?
いつもより麺の食感が良い?
長く茹でたのに、麺がのびてない?
ちょっとした衝撃でした。
だってパスタは少し短めに茹でるのが、絶対に美味しいと思ってましたから。
短く茹でたパスタと長く茹でたパスタの違いは?
私はラーメン屋を経営していたことがあるのですが、
よくラーメンで言われる「麺の加水率」というのをご存じでしょうか?
麺に含まれる水分量の違いです。
〇加水率が低い麺⇒「博多ラーメンの細麺」
- 歯切れよく、さっくりとした食感
- もともと麺に含まれる水分が少ないので、水分を吸いたがる⇒のびやすい
- 麺につやがない
〇加水率の高い麺⇒つけ麺なんかで使われる太麺・うどん等
- つるつるしこしこした食感。のど越しが良い
- もともと麺に含まれる水分が多いので、のびにくい
- 麺つやつや
短い時間で茹でたパスタ⇒加水率低い麺
長く茹でたパスタ⇒加水率高い麺
ラーメンと同じ現象です。
パスタを作って表面がザラザラしていることありませんか?
麺の茹で時間が短くないですか?
メーカーの茹で時間は最良の茹で時間
パスタの袋に書いてある茹で時間はメーカーが研究に研究を重ねて
なるべく多くの人が美味しいと評価される最良の時間を表記しているわけです。
何故わざわざそれに逆らうのでしょうか?
理由がありません。8分茹でるパスタを7分茹ででさらに美味しく食べれるのであれば、メーカーさんは茹で時間を7分と表記するはずですよね。
パスタの茹で時間を長くするメリット
①麺の食感が良くなる(のど越しが良い)
②麺が伸びにくいので、美味しい時間が長続きする。
③柔らかくなってしまう?と心配になるが、案外柔らかくならない。
茹で時間を短くした方がよいときは?
〇あえて短めで茹で上げる場合。
ペンネ等の食べ応えのある、ショートパスタ
⇒喉ごしや食感の良さよりも、ボリューム感のあるペンネに味をしみ込ませたいので、あえて短めに茹でて、タップリとソースの旨味を吸わせます。
今まで茹で時間短めの人は長めを試してみて!
正解はありませんが、いつも茹で時間が短いという人は騙されたとおもって、長めの茹で時間を試してみてください。
必ず新しい発見があるはずです。
料理中級者~上級者においては自分の中の常識と定説とあえて違うことを実験してみることをお勧めします。
今までおもってもみなかったような成果が表れます。
お試しあれ!
質問やコメントもお待ちしております!